事例・研究トピックス

2017年03月01日

【会員限定・研究者ブログ】疲労感と回復について

過去のコラムでは、ワーク・エンゲイジメント (仕事から活力を得てイキイキと働く状態) について国内外の研究を紹介したり、実務的な提言を行ってまいりました。 ワーク・エンゲイジメントが注目に値するのは、従業員本人の職業生活をより豊かにするだけでなく、組織の収益率や顧客のサービス満足度を高めるといった、組織にとってポジティブな側面があるからでしょう (e.g., Barrick et al., 2015; Xanthopoulou, et al., 2009)。 しかし過度のエンゲイジメントは人を疲労させます。 特に、十分な回復が出来ない状態との組み合わせが慢性的に続くと、自律神経の機能不全 (McEwen, 1998)、さらには心臓疾患のリスクを高める可能性もあります (Kivimaki et al., 2006; Sluiter et al., 2001)。 また、エンゲイジする従業員ほど仕事が増え、長期的には蓄積する疲労がエンゲイジメントの低下を招くという可哀そうな状況も起こりえます (Sonnentag et al., 2010)。

従業員にエンゲイジしてもらうことは大切ですが、いかに仕事の疲労から回復し、精力的に働き続けることが出来るのかという知見を提供することも、本フォーラムの重要な課題だと考えます。したがって今回のコラムでは、エンゲイジメントとやや対照的な、“疲労感と回復”に焦点を当てます。 

執筆:櫻井研司氏(日本大学 経済学部 准教授)
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