Event & Seminar3月定例セミナー「サマリー、当日資料(会員限定)」公開しました

去る3月1日、本フォーラム第1回定例セミナー「“働きがい”のある職場を考える」が、AP東京八重洲通りにて開催され、企業組織の人事担当者・健康管理担当者、労働組合役員、社労士、EAP、コンサルティングファームなど、約50名のご参加をいただきました。
 冒頭、本フォーラムの発起人でもある川上 憲人氏(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 教授)より、「健康いきいき職場づくりフォーラムへようこそ」と題して、フォーラム発足の社会的、理論的背景を中心にご案内頂きました。その中で、特に「健康いきいき職場づくり」の3つの特徴(ポジティブなメンタルヘルスの実現を目指す、職場の社会的心理的資源への注目、メンタルヘルスに経営として取り組む)や、そのための方策(産業保健部門と人事労務部門の連携、経営層・職場・個々人がそれぞれの形での職場づくり推進)をお話いただきました。
続いて、フォーラム事務局より、「健康いきいき職場づくりフォーラム活動内容のご案内」として、フォーラムが今後目指していく方向性、主な事業・研究開発概要をご案内しました。事業としては、年6回の定例セミナーの他、いきいき職場づくりを組織内に展開するためのグループコンサルテーションを行う「Active Work Place研究会」、組織内での推進者育成を目指す「組織ソリューション研究会」などがあります。また、会員制度とその主な特典(セミナー・研究会への無料・割引参加、会員間の相互交流会、研究開発事例のWebサイトでの閲覧など。)もあわせてご案内しました。詳細は「会員制度とご入会」をご参照下さい。
講演として「ワークエンゲイジメントに注目した組織の活性化」と題して、島津 明人氏(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 准教授)より、個人・組織の活性化促進のキーとなる「ワークエンゲイジメント」概念とその効果をご紹介頂きました。その中では、ワークエンゲイジメント概念(仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ていきいきしている状態)の紹介とともに、それがもたらすプラスの効果として、ポジティブな感情の経験、良好な健康状態、自分の就業状態の最適化、周囲への波及効果などを通じ、高いパフォーマンスにつながるため、それを組織・個人の活性化対策に利用するのが望ましい旨をご説明頂きました。
事例紹介として、「「居甲斐」のある職場づくりとは~グローバルチームワークで働くこと~」と題して、日置 政克氏(元株式会社小松製作所 常務執行役員)より、コマツでの実践事例を、「経営目線からヒト(社員)目線へ」「コマツにいてよかった=居甲斐」「ユニオンとの協働」などをキーワードにご案内頂きました。日置氏からは、安全・健康管理は世界共通で取り組むのにふさわしい領域であり、職場改善、環境整備、健康管理などを通じてグローバル展開することも可能であるとご指摘頂きました。

その後、会場からの質問票を基に、島津氏、日置氏、守島 基博氏(一橋大学大学院商学研究科 教授)によるパネルディスカッション「健康いきいき職場づくりの具体的方策 ~“職場づくり”に注目して」を行いました。職場づくりのポイントとして、トップの意識の大切さ、信頼して任せること、トップを動かすためにも経営に近いミドルを巻き込むこと、強みから見ていくこと、知識→意識→行動変容のステップを意識することの大切さなどが提示されました。また、ワークエンゲイジメントを高めることにより出現する役割外行動の重要性、中小企業でこそ成果を示しやすく一点突破で取り組みやすいこと、また職場づくり実現に不可欠な労使関係における経営側の「聞く力」、労組側の「聞かせる力」の必要性も指摘されました。

会員の方は、メニューより会員ログイン後に当日の資料をご覧いただくことが可能です。