健康いきいき職場づくりとは

「健康いきいき職場づくり」とは、職場のメンタルヘルスの一次予防(未然防止、健康増進)を発端とした人と組織の新しい枠組みとして、「働く人の心身の健康」を前提に、「働く人のいきいき」「職場のいきいき(一体感)」によって、個人の幸福と組織の生産性向上を目指す活動です。
これは従来の不調者対応を中心にしたアプローチからの転換であり、職場のメンタルヘルスの取り組みを大きく変える可能性があります。
健康いきいき職場づくり3つの特徴
(1)ポジティブなメンタルヘルスの実現を目標とする
労働者がいきいきと仕事に向かう様子など、本来人が持つ働く意欲を指標とします。
(2)職場の社会的心理的資源に注目する
職場における個人の尊重、職場組織が持つ公正さや人を支援する力などを、資源として捉え、充実させることに注目します。
(3)メンタルヘルスを経営として取り組む
労働者のメンタルヘルス向上=組織の生産性向上であるため、これを経営課題として取り組むことを推進します。
健康いきいき職場の理論モデル
「健康いきいき職場づくり」は、東京大学大学院川上憲人教授(当時)による、健康いきいき職場モデル(下図)に基づいて進めます。
特に、「仕事の資源」に注目し、これを増やす活動(活性化プロセス)により「健康いきいきアウトカム」を充実させることを目標にしています。

ワーク・エンゲイジメント
働く人のいきいきを表す「ワーク・エンゲイジメント」は、健康いきいき職場づくりの中核となる概念です。
ワーク・エンゲイジメントは、以下の状態として定義されています。
(1) 仕事に誇り(やりがい)を感じ
(2) 熱心に取り組み
(3) 仕事から活力を得て活き活きしている状態
Schaufeli et al. (2001). Journal of Happiness Studies, 3, 71-92
Schaufeli & Bakker (2004) J. Organiz. Behav., 25, 293-315