去る2015年11月6日、「組織ソリューション研究会」第2回が開催されました。本研究会は、これまで4期にわたり開催されてきましたが、今回は内容をリニューアルしました。具体的には、「健康いきいき職場づくり推進人財養成」を目指し、全6回で「いきいき」を職場で推進するにあたり身につけておきたいスキルをご案内していきます。
2回目である今回以降は、前回テーマである「社会的な背景」を受けて、具体的な方法論に入っていきます。今回も、①講師によるテーマの概論紹介、②講師・コーディネーターによる解説、③参加者間のディスカッションという本研究会の流れで進められました。
今回のテーマは「関連部門間の連携~経営・労使・人事・健康管理間の連携~」です。このテーマの実践者として、株式会社フジクラ 人事・総務部健康経営推進室副室長の浅野健一郎氏よりご自身の社内での展開方法や具体的な取り組みまで、幅広く語っていただきました。
「健康いきいき職場づくり」は、「経営として取り組む」ことを中核においております。それは、単一部門や担当者だけではなく、社内の幅広い参画を得ながら活動を推進するということを意味しております。しかし、そのために行わなければならぬことはたくさんあります。そこで具体的に何を行ったのかについて、浅野氏の取り組みをお話しいただきました。
浅野氏は、まず近年注目を浴びる「健康経営」は、あくまで企業が経営計画を実現するために実施するものだというスタンスに立ちます。この背景には、浅野氏が属するフジクラ社が、者の経営課題を実現するために、そのベースとして健康に着目した、ということがあります。そのゴールイメージとしては、「顧客からの感謝」「社会的評価」「社員が活き活き仕事をしている」があるといいます。
ただ、取り組みにかかわるステークホルダー(経営、労組、健保、人事、安全衛生、社員…)やその目的がそれぞれ異なるため、超えるべき「5つの壁」が存在すると浅野氏は語ります。
「壁」には二種類あります。組織的な壁として、「経営層」「組織」「法律」の壁、社員側の壁として「無関心」「疑心暗鬼」の壁がそれぞれ存在するといいます。これらの壁を突破するために、浅野氏らは自社に即した方法論として、豊富なデータを活用した成果の数値化や体制やステークホルダーの仕組み化、取り組み内容の細分化などを進め、結果として取り組みを進めることができたといいます。
具体的な施策としては、身体活動への着目をもとにした食事・睡眠・運動の推進やオフィスレイアウトの変更、「健康いきいき職場づくりワークショップ」などによる達成感の陶冶など、様々な施策を行っています。そして、これらに共通するのは、「働きながら健康を保持増進し、組織目標を達成する」ということだといいます。
後半では、浅野氏の話を受けて、参加者各人の問題意識に基づいて、「関連部門間の連携」に関連して各人が抱えている課題や解決方法についてのディスカッションが行われ、それについて講師である浅野氏からのフィードバックが行われました。具体的には、労使の連携や、業務の属人化の問題、ストレスチェックのフィードバック方法について活発な意見交換が行われました。
本研究会は、各回テーマ設定をし、そこでの学びや気づきを活用しつつ、最終的に「健康いきいき職場づくり実践の企画書」にまとめていただくことになっております。今回得られた成果は各人がまとめを行い、それを次回以降に活用することになります。次回は11月17日(火)、「ストレスチェックの活用~職場へのアプローチに向けて~」というテーマで実施します。